陰になり日向になり大谷を支える水原通訳
その一挙手一投足に熱い視線が注がれているエンゼルスの大谷翔平とともに、今や、時の人となっているのが大谷の通訳をつとめる水原一平氏だろう。実は、水原氏がメジャーリーグで最初の一歩を踏み出したパートナーこそ岡島秀樹氏だ。当時のエピソードと、メジャーリーグにおける通訳の知られざる役割について聞いた。〈全2回の#2/#1から読む〉
大谷の代わりにホームランセレブレーションで兜をかぶればニュースとなり、オールスター前夜祭では一緒にレッドカーペットを歩いたことがいち早く取り上げられる。
記者会見でも以心伝心の大谷と水原通訳(右) ©︎Getty Images
水原氏はなぜこれほどまでに好感度が高いのか。
メジャーリーグでプレーをしていた際に一時、水原氏とともに過ごしたことがある元レッドソックスの岡島秀樹氏に話を聞いた。
「初めて会ったのは2012年です。第一印象は明るくて元気が良い、面白い人。よくしゃべるし、でも決して前に出過ぎない、そんなところが周囲に好かれる要因ではないでしょうか」
出会った当時、岡島氏はニューヨーク・ヤンキースとのマイナー契約が決まり、招待されたメジャーキャンプに参加するため、タンパでメディカルチェックを待つ身だった。ヤンキースが用意してくれた通訳が、父親の仕事の関係で6歳からアメリカに移住していた水原氏だった。
陰になり日向になり大谷を支える水原通訳
キャンプイン前、岡島氏と練習パートナー、水原氏がキャンプ地の近くの練習場に集まった。通訳の水原氏も練習相手を務められるよう、練習着でフィールドにやってきたという。
しかし、上から下までバスケットボールのウエアで、足元はバスケットシューズだった。
「野球の経験はあるって本人は言うんですけど、いや、どう見てもバスケット選手なんですよ、ハハハ(笑)。それにボールの投げ方も素人っぽかったですね。でも仕事は完璧にできました。練習以外でも、食事の手配なども全部やってくれて本当に助かった記憶があります」